【ライブレポート】京都大作戦2024(DAY2)[2024/08/01]
「京都大作戦2024~翔んで騒いで万々祭゛~」(以下、大作戦)、2日目もとにかく暑い! 例年、台風や大雨など天候に悩まされてきた大作戦だが、少しでも雨が降ればいいのにと願うことになるなんて誰が想像しただろう。それでも観客は前日の過酷さを体感してか、それぞれがばっちりと対策をして、この日も至高のステージを大いに満喫していた。
源氏のトップバッターはENTH、初日に続き“あの丘”を初めて越えたアーティストがイベントの幕開けを飾る。彼らのライブでおなじみのテキーラバニーも総動員で登場し、おふざけしつつも「ホンモノがここにいます!」と、「Get Started Together」などフロムライブハウスの心意気をしかと見せつける曲陣で見事なトッパーを飾ってくれた。
真っ昼間から極悪重厚サウンドで観客を圧倒したのは“京都のダークヒーロー”ROTTENGRAFFTY。地元の盟友であり、京都の二大フェスのひとつ「響都超特急」を主催する彼ら。10-FEETへの想いを伝えつつも、「殺す気でかかってこいよ!」と「D.A.N.C.E.」「THIS WORLD」など、切れ味抜群どころか殺傷能力高すぎなステージでイベントの勢いを加速させる。
今年でデビュー35周年を迎える東京スカパラダイスオーケストラは「Dale Dale!~ダレ・ダレ!~」からアップビートなスカサウンドを鳴らす。一瞬で場の空気を掌握する、圧倒的かつ歓喜に満ちたサウンドに魅せられ、滝汗を流しながら歌い踊る観客たち。「風に戦ぐブルーズ」ではもちろんTAKUMAとのコラボも♪ 大作戦に、音楽に込めたメッセージを歌い、唯一無二の時間を紡いでいく。
RIZEの登場には誰もが嬉々とした表情でステージに魅入っていた。バンドとしては7年ぶりの活動、しかもツアーを終えたばかりとあって、「神」「カミナリ」と垂涎ものの曲陣を鳴らすなか、メンバーの表情はとにかく生き生きとしている。「(大作戦は)音楽で人生変わったやつのパーティ。最後までぶっ壊れて!」と、最新型のRIZEサウンドでフロアに大きな歓喜の渦を沸き起こす。
2日目の牛若にはアルステイク、MAYSON’s PARTY、Fire EX.、Paleduskが登場。金沢発のプッシュプルポットは「イイ顔してんじゃん♪」と集まった観客とともに歌い騒ぎ、THE SKIPPERSは「諦めたら終わりやで!」と11年ぶりの大作戦で不屈の精神を音で鳴らす。トリのAge Factoryは「もっとオレに全部くれよ!」と、音楽に、ライブに前のめりなサウンドで心を鷲づかみに。源氏に負けない、記憶にも記録にも残るパフォーマンスに観客は大喜び。
食うか食われるか。マキシマム ザ ホルモンは一触即発なスリリングなパフォーマンスで観客を虜に。彼らのライブに不調という言葉はなく、猪突猛進のみ。殺意にも似た切れ味抜群、怒涛のバンドサウンドに大喜びで立ち向かう観客たち。しかもこの日はanoちゃんがゲストに! まさかのサプライズに観客は歓喜の声を上げながら大暴れ。
「オレたちにとってこんな良い日はない」。Dragon Ashのステージは10-FEETやRIZEら仲間が総出となって、多幸感たっぷりな時間を届けてくれた。「Mix It Up」「百合の咲く場所で」、いつだって心躍る楽曲陣に魅せられ、曲が終わるたびに観客は拍手喝采を送る。シンプルで壮大でしっかりと心を奮い立たせる。やはり大作戦に彼らの存在は欠かせない。
SUPER BEAVERは「大作戦が好き。音楽で狂ってるアナタが好き。10-FEETが大好き。アナタのことはもっと大好き。ただそれだけ」と、愛溢れる言葉と歌で、真摯に音楽と向き合う時間を届けてくれた。「アイラヴユー」「儚くない」、真っ直ぐなロックサウンドは眩い夕陽のなかで一層大きな輝きを放ち、忘れられない記憶を刻んでいく。
2日間を締めくくる10-FEETのステージ。いつものように丘の上までいっぱいにバンドタオルが掲げられ、メンバーの登場を待つ観客の姿はなんとも壮観だ。新曲「helm’N bass」からスタートしたライブだが、機材の故障からセットリストを急遽変更しレア曲を披露するなど、この日は嬉しいハプニングだらけに。「昨日からみんなカッコエェライブやったし、みんなもビっとしてる感じするし。なんか今年いぃなぁ」。しみじみと喜びを嚙みしめ、仲間とともにまた新たな伝説を築き上げた3人。「また来年!」、その頼もしい言葉を胸に、またここから一年「京都大作戦」を存分に楽しむために音楽漬けの日々を送っていこう。
10-FEET
文・黒田奈保子