【ライブレポート】京都大作戦2024(DAY1)[2024/08/01]
10-FEETが主催する「京都大作戦2024~翔んで騒いで万々祭゛~」(以下、大作戦)が7月6日、7日の2日間にわたり、京都・宇治にある京都府立山城総合運動公園・太陽が丘特設野外ステージにて開催された。源氏ノ舞台、牛若ノ舞台(以下源氏、牛若)、2つのステージに計30組のアーティストが出演し、鞍馬ノ間ではバスケットボールパフォーマンスも開催。今年は梅雨明けを前に夏真っ盛りな酷暑続きの2日間となったが、会場に集まった観客は眩しい晴れ間のなか、最高の音楽と空間を存分に満喫。また新たな伝説を生み出した、饗宴の模様をお伝えしたい。
源氏のトップバッターは群馬・高崎発のFOMARE。昨年、牛若のトリを務めた彼ら。「丘、越えました!大作戦2024、FOMAREが始めます!」と、「Lani」から景気づけと言わんばかりの爽快なロックサウンドをぶつけていく。「夢みたいな日々を迎えさせてくれた」と10-FEETへ感謝の思いを伝えつつ、実直に音楽を続けてきたことで見える景色を観客とともに満喫。
Saucy Dogは「夢見るスーパーマン」「シンデレラボーイ」と、カラフルに心躍らせつつ、しっかりと骨太なサウンドで会場を沸かす。大作戦は2度目の出演となる彼ら。豪快にライブを楽しむのも大歓迎だが、大暴れするのではなくしっかりと真摯に自分たちの音楽を感じてほしいと、真正面から思いを届ける。
1曲目「Right Now」から豪快なスタートダッシュをかましたのはdustbox。ビッグウェーブに乗っかると、勢いは途絶えることなく加速。今年結成25周年を迎える彼らは10-FEETとは周知の仲。サプライズで「ヒトリセカイ」をカバーすれば、10-FEETの3人も加わりステージはしっちゃかめっちゃか。遊んでふざけまくりないつもの光景に誰もが笑顔に。
サウンドチェックから会場を大いに沸かしていたのは湘南乃風。ジリジリと気温が上がり続けるなか、「夏はこれだろ?」と「純恋歌」「睡蓮花」とキラーチューンを投下すると、大合唱&高速タオル回しが沸き起こり会場はあっという間にレゲエジャンボリーに早変わり。音楽のジャンルを飛び越え、どんなバースも歌えちゃう大作戦のレゲエ愛にも感激!
あっついステージはもちろん牛若でも連発。初出演のMakiは「期待しといて。いつも通りかまして帰るんで!」と、ライブハウスで積み重ねてきたライブバンドとしての姿を誇示。今年結成20周年を迎えるSHANKはまっすぐに心を打つ言葉と爆ぜる音で魅せ、SIX LOUNGEは武骨なロックサウンドで最後の一瞬まで観客の感情を鷲づかみ。炙りなタウン、GUMX、サバシスター、RED SPIDERなど、誰もが唯一無二のステージで楽しませてくれた。
「(大作戦の)サブタイトル知ってる? 翔んで、騒いで、思い切りやってちょうだい!最高のパンクロック奏でにきたぞ!」と、HEY-SMITHは妥協一切なし! うだる暑さが続く会場に、火に油を注ぐようなアッパーなサウンドを連発。キレ味抜群な「Into The Soul」など殺傷能力高めなパンク&スカサウンドに観客は歓喜の声を上げっぱなし。
Ken Yokoyamaは「いつもやらないことを挑戦しようと思う。何かを受け取って帰ってもらいたい」と“フェスでおなじみ”な曲陣ではなく、確固たるバンドの世界観を伝える新旧交えた楽曲で挑んでいく。さすが!と思わず唸ってしまう、ライブバンドの心意気を見せるステージに誰もが真剣な眼差しで魅入っていた。
サンボマスターが「伝説の大作戦にするのかここで決めろ!!」と煽った途端、会場の人の波が大いに揺れ動いた。某朝の情報番組のテーマ曲や愛と平和を叫ぶ名曲など、“全員優勝”を目指したステージはとにかく圧巻。魔法がかかったみたく、誰もがキラッキラの笑顔を見せながら歌い、踊り、愛し愛された時間はあっという間に過ぎていく。
初日の大作戦もとにかく素晴らしいステージの連続だったけれど、やっぱりトリの10-FEETはそれを上回ってくれた。「心から全員が楽しい気持ちで帰ってくれたら。この生きてる瞬間を大事に」と、「gg燦然」「helm’N bass」などの新曲や、湘南乃風とコラボした「第ゼロ感」など最新型のバンドの姿をしっかりとみせつけていく。夕陽に照らされ、最高の笑顔を見せる観客を前に「音楽の力はやっぱりすごい」と言葉を漏らし、「カッコイイ世界作っていこうや。優しくて強くて、ともに素晴らしいものへ」と音楽に、ライブに、シーンに懸ける想いを語り、最後の瞬間まで“本物”を目指した全力全開のパフォーマンスで駆け抜けていった。
10-FEET
文・黒田奈保子