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【ライブレポート】響都超特急2023(DAY1)[2024/02/01]

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2023年、12月16、17日の2日間にわたり、ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)が主催する『響都超特急2023』が京都・京都パルスプラザで開催された。本イベントは昨年まで『ポルノ超特急』の名で開催されていたが、より多くの人にイベントの存在を知ってもらうため改名。通称も“ヒビキュー”となり、京都出身、そして“響く都”を掲げるバンドらしく、今年も盛大な爆音が鳴り響く饗宴が繰り広げられた。

 「今年はフル解放で!死ぬほど遊んでください!」の言葉通り、今回からは声出しだけでなく、モッシュやダイブなど全てが解禁。トップバッター、ヤバイTシャツ屋さんは「(イベントの)本来の姿を取り戻しにきた!」と1曲目「ヤバみ」からエッジを効かせたサウンドでフロアを沸かす。地元京都の先輩であるロットンを盛り立てるべく、「D.A.N.C.E.」をカバーすれば、もちろんN∀OKI&NOBUYAも登場。解放されたエネルギーの凄まじさを感じられるステージ、観客は破顔大笑するほどの表情を見せてくれた。

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ヤバイTシャツ屋さん

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G-FREAK FACTORY

 昨年からのリベンジ出演となったG-FREAK FACTORYはローカル発、各駅停車ながら歩みを止めずに走り続けてきたド根性ぶりをステージで存分に見せつけてくれた。「Too oLD To KNoW」、想いを吐露するように紡いでいった言葉は鼓動を打ち出し、観客の心の芯へと確実に届いている感覚がはっきりと伝わる。感情を大いに揺さぶる彼らの音楽。「ライブハウスに戻って来いよ」、その言葉がまた今日からの彼らの活躍に確実に返ってくることだろう。

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MUCC

 今回が2回目の出演となるMUCCはジャンルもシーンも豪快に飛び越えたステージを披露。「サイレン」「謡声」と新旧の楽曲を交差させ、タフでメロディアスなサウンド、緩急をつけたグルーヴで観客を引き込んでいく。ラストは「ヴィジュアル系らしく煽って帰ります! 全員、死刑!!」と軽快に毒を吐きつつ、キラーチューン「蘭鋳」でフロアを盛大に揺らし、シーンを代表する大きな軌跡を残してくれた。

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ハルカミライ

 ハルカミライは心に超接近する言葉と音楽を投げ掛け、フロント3人がフロアへと突っ込み、まさに正面衝突なパフォーマンスをぶつけていく。「いろんなジャンルの音楽が集まっていて異種格闘技みたい」「ここが僕らの世界の真ん中!思いっきり音楽に抱き締めてもらおう!」と、「世界を終わらせて」へ。目のまえで鳴り響く生の音、それを体感する喜びに満ちたフロアはとにかく幸せで、今この瞬間の高揚感を何度でも思い出せるほどの熱いライブで楽しませてくれた。

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HERO COMPLEX

 銀閣ステージにはINKYMAP、NEMOPHILA、HERO COMPLEX、ジャパニーズマゲニーズ、アルカラ、Paledusk、NOISEMAKERが出演。なかでもHERO COMPLEXはタイトルまんま、「Feel so good」なご機嫌なサウンドでフロアを揺さぶり、ショートチューンを次々に投下。思わず背筋が伸びる、真正面から飛び込んでくるストレートなサウンドに誰もが夢中になっていた。

 さらに今年から芸人ステージも復活! 初日はツートライブ、藤崎マーケット、金属バット、ダイノジ、さらに吉本新喜劇まで登場し、金額と銀閣ステージの転換タイムを笑いで大いに盛り上げてくれた。イベントの完全復活。ライブステージだけでなく、会場の至る所にその気配を感じ取ることができて、誰もがみな嬉しそうな表情で思い思いの時間を過ごしている。

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MY FIRST STORY

 「イベント後半。真冬とは思えないほどの熱気がこもったステージを見せたのは、初出演のMY FIRST STORY。一切の戸惑いを許さない圧倒的なステージングに魅せられ、観客が次々と前方へと詰め掛けていく。彩りと華やかさはありつつも、がつんと体を揺さぶる「ACCIDENT」。観客の反応を受けて大きく比例していくバンドのパフォーマンス、会場の四方八方から打ち込んでくるような立体的なサウンドに観客は終始興奮しきりに。

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10-FEET

 都の冬の恒例“ヒビキュー”、夏の恒例といえば10-FEETの「京都大作戦」。この2大イベントを経てこそ一年が終わるという観客も多いはず。もちろん、互いに揺るぎない信頼はあれども慣れあうことは皆無。「ライブ好きなやつどんだけおんねん! まとめてかかってこい!」、とにかくまっすぐにぶつかっていく音に言葉に、体がうずく。爆発力がひと際高く襲い掛かる「第ゼロ感」など、京都が誇るバンドのひとつとしてイベントに加速力をつける。

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UVERworld

 「オレたちが滋賀の切り札!」、そう言い放ちロットンの「切り札」をカバーしたUVERworld。本家とはまた違う、剛毅でいて華やかなバンドサウンドで観客の心を瞬時に鷲掴み。「1番のピークを作りにいこう!」「フェスに出るなら1番を狙わなきゃ意味がない!」その言葉通り、確実に芯を捉えるステージングに呆気にとられ、会場を純度の高いUVERworldの世界へと換えてしまう。

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    ROTTENGRAFFTY

 存分に高まった観客の熱量をどう解放するのか。トリを務めるロットンは期待を遥かに上回る衝動で1曲目「ハレルヤ」を投下すると、鬼気迫るステージングでフロアを圧倒。「殺す気でかかってこい!」「余力を残すな!」、フロントの2人が投げかける言葉は一層ヒリついている。観客の疼きを感じ取るように「THIS WORLD」で“ライブハウス最強のロックバンド”たる姿を誇示。「輝き狂え!」、その言葉を合図に観客の盛り上がりも最高潮となり、フロア前方はもはやサウナ状態に。アンコール「響く都」では、イベント名の名を冠した曲ということもあってか、盛大なお祭り騒ぎに心昂ったまま初日の幕が閉じた。

文・黒田奈保子